空き家の増加抑制を目指し「全国空き家対策コンソーシアム」を設立

不動産ポータルサイト運営、不動産仲介、建材設備、土地活用等大手企業と銀行・大学・ベンチャー等11団体が参画。空き家に関する専門ノウハウを共有、行政連携による空き家所有者への啓発強化を目指す。

全国共通の課題である空き家の増加抑制、また空き家問題に向き合うESG経営の体現、CSR活動の推進に向け、「全国空き家対策コンソーシアム(https://www.j-akiya.jp)」を設立しました。
代表理事は株式会社クラッソーネ、理事はアットホーム株式会社、株式会社AGE technologies、大和ハウスパーキング株式会社、株式会社LIFULL、株式会社リノバンクが務め、会員として東京大学連携研究機構 不動産イノベーション研究センター(CREI)、野村不動産ソリューションズ株式会社、みずほ不動産販売株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社LIXILが参画します。参画事業者・団体間にて専門ノウハウを共有することで、空き家所有者への啓発活動を強化し、空き家の増加抑制の実現を目指します。

全国空き家対策コンソーシアム設立記者会見

設立背景

近年、空き家の数は増加を続けており、今後、更に増加が見込まれる中、空き家対策の強化が急務となっています。総務省統計局発表「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国で空き家は約849万戸、空き家率は13.6%と過去最高の水準となっており、野村総合研究所の試算では2038年には全国の住宅の3軒に1軒が空き家になると予測されています(※)。

増え続ける空き家への対策として、新たな空き家の発生防止や、既に空き家となっているものについては除却すべきものは除却し、活用できるものは活用するといった対応が求められています。具体的な対策の取り組みとして、2024年6月には、空き家が放置される一因となっている所有者不明土地の対策として、相続登記の申請が義務化されます。周囲に悪影響を及ぼす特定空き家の除却促進に加え、周囲に悪影響を及ぼす前の段階から空き家の有効活用や適切な管理を確保するため、2023年6月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が改正され、勧告を受けた管理不全空き家に対する固定資産税の優遇措置解除など、新たな仕組みも動き始めます。

設立趣旨

空き家の問題は相続、除却、売却、活用など様々な分野に関連しており、空き家所有者への支援は幅広い専門分野の情報を必要とするため、行政だけでは難しい状況です。

そこで、空き家問題を具体的に解決する一助となるべく、核となる協議体として、「全国空き家対策コンソーシアム」を設立しました。独自に専門ノウハウを持つ事業会社がコンソーシアムを形成し、知見を共有することで、各事業者の空き家所有者に対する啓発活動を強化し、具体的な課題解決を促進することで、空き家増加抑制に努めて参ります。

また、より広く空き家所有者への情報提供・支援を行い、所有者の行動喚起に繋げるため、幅広い専門知識を持つ団体として行政との連携も目指します。

全国空き家対策コンソーシアムは空き家問題の啓発、情報発信をしていきます。
(※)『2040年の住宅市場と課題 -迫力を欠くストックシフト、本腰を入れた取組が必要-』野村総合研究所より:https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2022/cc/mediaforum/forum337

活動内容(予定)

  1. 参画事業会社による事例共有会の実施
  2. 空き家所有者向けオンラインセミナー実施、空き家所有者からの相談対応
  3. 空き家問題に関する研究・調査の実施
  4. 参画事業者間のビジネスマッチング

コンソーシアム参画企業 代表コメント

全国空き家対策コンソーシアム 代表理事
株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口哲平 氏

全国空き家対策コンソーシアム 代表理事 株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口哲平

当社は「『街』の循環再生文化を育む」というビジョンを掲げ、解体工事を通じて多くの人々の豊かな暮らしの実現を目指しています。その中で空き家問題の解決は重要だと考えており、解決には各分野の事業者や行政との協調が必要だと感じております。
この度、各分野でご活躍されている企業・団体に参画いただき、本コンソーシアムを設立できたことを大変嬉しく思います。本コンソーシアムを通じて、民間企業・学術機関の知見と、行政の持つネットワークを活かし、空き家所有者に対する網羅的な情報提供や支援策の提供を行うことで、空き家増加の抑制、持続可能なまちづくりに寄与して参ります。

全国空き家対策コンソーシアム 理事
アットホーム株式会社 代表取締役社長 鶴森康史 氏

全国空き家対策コンソーシアム 理事 アットホーム株式会社  代表取締役社長 鶴森康史

各社の「空き家を解消し地域社会を活性化させ、持続可能な未来を築き上げる」というビジョンと志に共感し“アットホームにもお役に立てることがある”と思い、全国空き家対策コンソーシアムに参画させて頂くことを決意いたしました。
当社では「アットホーム空き家バンク」を通じて、700以上の自治体と全国約62,000の不動産会社、そして生活者を“情報で繋ぐ”ことで、空き家の解消、地域の活性化、移住支援などに取り組んでおります。
今後は各社との連繋を図り、社会的な変革をもたらす「チカラ」を生み出し、新たな道を切り拓いてまいります。

全国空き家対策コンソーシアム 理事
株式会社AGE technologies 代表取締役CEO 塩原優太 氏

全国空き家対策コンソーシアム 理事 株式会社AGE technologies 代表取締役CEO 塩原優太

当社は2020年より、相続登記手続きを効率化するWEBサービス”そうぞくドットコム”を運営しております。
空き家の取得経緯の約過半数は”相続”が原因とされており、2022年度からは「“相続手続き“へのアプローチによる空き家発生抑制を目指す自治体支援事業」なども積極的に展開してまいりました。
今回のコンソーシアム設立によって、大企業とスタートアップ、そして官民連携のもと、適切に不動産が管理・活用され続けていくための、社会基盤づくりを目指していきます。

全国空き家対策コンソーシアム 理事
大和ハウスパーキング株式会社 代表取締役社長 宮武孝之 氏

全国空き家対策コンソーシアム理事 大和ハウスパーキング株式会社 代表取締役社長 宮武孝之

私たちは、大和ハウスグループとして駐車場の運営・管理を行っております。
今回のコンソーシアム設立にあたり、「駐車場」という視点での知見の共有や、空き家をお持ちのオーナー様へ解体工事・解体後の土地活用・収益化・売却について、様々なソリューションのご提案を行います。
1件でも多くの空き家が生まれ変わり、安全・安心な街づくりや、街の活性化に繋がるよう、当社グループやコンソーシアムに参画の皆様と連携し、空き家問題の解決に尽力してまいります。

全国空き家対策コンソーシアム 理事
株式会社LIFULL 代表取締役社長 井上高志 氏

全国空き家対策コンソーシアム理事株式会 LIFULL代表取締役社長 井上高志

LIFULLグループはソーシャルエンタープライズとして事業を通じて社会課題の解決に取り組む企業グループです。
全国各地で空き家が急増する中、LIFULLは空き家を地域の新しい魅力や価値につながる資源と捉え、空き家の再生を軸に移住・定住を含む関係人口を創出する取り組みを独自の視点で進めてまいりました。
このたび、設立する本コンソーシアムの活動を通して各参画機関が持つ強みを活かし、空き家の課題解決に向けて引き続き取り組んでまいります。

全国空き家対策コンソーシアム 理事
株式会社リノバンク 代表取締役 芝田旅人 氏

全国空き家対策コンソーシアム理事 株式会社リノバンク 代表取締役 芝田旅人

当社は、空き家所有者と自治体の依頼に基づき空き家の調査から利活用提案までを行うサービス『コダテノバリュー』と、リノベーションを通じて中古戸建流通市場の活性化を目指すWEBサイト『たすリノベ』を展開し、かけがえのない”家“を、次の世代につなぐ事業を展開しています。
空き家の状態やその所有者を取り巻く環境は多様です。本コンソーシアム参画企業のみなさまと協力しながら、ひとつひとつの空き家に向き合い、最適なソリューションをお届けして参ります。

会員企業・団体のコメント

東京大学 不動産イノベーション研究センター(CREI)
特任研究員 長瀬洋裕氏

不動産DXの徐々の進展に伴い、空き家を含む不動産の情報を様々な角度でデータ分析することが可能になってまいりました。設立会見では「長期空き家の外部性」分析を紹介しており、分析の結果からは空き家を管理すべき者の社会的な責任、行政等が制度を活用して対処する重要性などについて認識を深めることができます。
全国空き家対策コンソーシアムの一つの役割として、学術研究含め、様々な主体の取組が集約され、それらから得られる知見等を関係者と共有し、社会啓発的な機能を発揮されることも期待します。

野村不動産ソリューションズ株式会社
代表取締役副社長執行役員 榎本英二 氏

野村不動産ソリューションズは、個人から法人のお客様まで様々な不動産ニーズにワンストップで対応する総合不動産流通企業です。お客様へ最良のソリューションを提供することで、「広く信頼され、高い評価をいただくことで選ばれ続けるナンバーワンブランド」を目指しております。
本コンソーシアムへの参画により、空き家という社会課題に対して、地方自治体や他業種の企業と知見を共有し、不動産流通業ならではのノウハウを生かした多角的なソリューション提案を行うことで、空き家を次のお客様へつなぐ「架け橋」となり、空き家の増加抑制や有効活用など地域コミュニティの発展への寄与を目指します。

みずほ不動産販売株式会社
常務執行役員 宮本雅弘 氏

当社は、みずほフィナンシャルグループの一角をなす不動産仲介専門会社です。

「空き家問題」は、官民協調した多様なアプローチが必要と認識していますが、空き家取得経緯の過半が「相続」によるという状況において、信託銀行系である当社が蓄積してきた資産承継面のサポート力や、全国各拠点のネットワーク力により、社会とご家族様方の課題解決の一助となれば、という想いから参画致しました。
様々な専門的ノウハウを持つ構成各企業様と連携のうえ、当社のもつ不動産流通機能の発揮を通じ「空き家問題」対応の更なる前進に向け努めて参りたく存じます。

株式会社三菱UFJ銀行
執行役員地区本部長 田中耕一郎 氏

私どもは、今回代表理事を務められるクラッソーネ様をメイン銀行として応援していきたい、という想いから、この度会員企業として参加をさせて頂くことになりました。社会課題解決に取り組むベンチャー企業様を応援することが、弊行のパーパスである「世界が進むチカラになる。」に繋がっていくものだと考えております。
本コンソーシアムでは、ベンチャー企業様を中心に多様な企業、団体様とともに、情報発信や知見の共有などに取り組んでいくことを目的とされており、弊行も会員メンバーとして、空き家問題への理解を深めさせて頂ければと思います。このコンソーシアムが社会課題の解決に意義あるものになるように期待しております。

株式会社LIXIL ハウジングテクノロジー 営業本部 リフォーム推進部
部長 渋谷 和徳 氏

2050年カーボンニュートラルの実現に向け、住宅・建築物において、断熱性の向上等の省エネ対策の強化が求められています。住宅ストックの分野では低断熱の既存住宅が数多く残っている状況ですので、LIXILでは光熱費の軽減、温熱環境の改善による快適性の向上、そしてCO2削減による環境課題にも大きく寄与する断熱リフォームを積極的に推進しています。
今回、全国空き家対策コンソーシアムに参画させて頂き、性能を改善できる断熱リフォームにより良質なストック住宅を供給していけるように協働で展開をしてまいります。

「全国空き家対策コンソーシアム」概要

名称 全国空き家対策コンソーシアム (Japan Akiya Consortium)
代表理事 株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口哲平
事務局 株式会社AGE technologies
株式会社クラッソーネ
株式会社リノバンク
URL https://www.j-akiya.jp
問い合わせ 株式会社クラッソーネ
山田(080-6842-3733) 坂井(080-5898-3566)
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